- 720 名前:( ´∀`)さん
投稿日:03/04/05 16:25 ID:L/L3f2Cv
- 七、北十字とプリオシン海岸(前半)
(壱/八)
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| / // | // / | カタタン
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|_. ∧∧ | ∧,,∧ .」 ガタタン
//! (,, ゚Д) . | ミ,, 彡\
// |ニ/,, ⊃二二二二二⊂ミ ノ \\
|||| |~て ) _) ( ミ〜 ||||
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おっかさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか。 |
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ぼくはおっかさんが、ほんとうに幸になるなら、どんなことでもする。 |
けれども、いったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸なんだろう。 .|
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きみのおっかさんは、なんにもひどいことないじゃないの。 .|
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ぼくわからない。けれども、誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸なんだねえ。|
だから、おっかさんは、ぼくをゆるして下さると思う。 ..|
─────────────────────────────────────┘
カムパネルラは、なにかほんとうに決心しているように見えました。
- 721 名前:( ´∀`)さん
投稿日:03/04/05 16:26 ID:L/L3f2Cv
- (弐/八)
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きらびやかな銀河の河床の上を水は声もなくかたちもなく流れ、その流れのまん中に、
ぼうっと青白く後光の射した一つの島が見えるのでした。その島の平らないただきに、
立派な眼もさめるような、白い十字架がたって、それはもう凍った北極の雪で鋳たといったらいいか、
すきっとした金いろの円光をいただいて、しずかに永久に立っているのでした。
- 722 名前:( ´∀`)さん
投稿日:03/04/05 16:27 ID:L/L3f2Cv
- (参/八)
ィ三三三三三三三: :三三三三
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/ .||レ'('' '' ∧_∧ | |(つ■と)| | ハレルヤ
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|| /||iT ̄ ̄ ̄ ̄.∧_∧ ..「i| iT ̄ ̄ ̄ ̄
||/ ||| |,,. ,,. ,,. ,,.,, ( ・д・),,| | |.|,,. ,,. ,,.
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| |' (__)_) | | | |
「ハルレヤ、ハルレヤ。」前からもうしろからも声が起りました。
ふりかえって見ると、車室の中の旅人たちは、みなまっすぐにきもののひだを垂れ、
黒いバイブルを胸にあてたり、水晶の数珠をかけたり、どの人もつつましく指を組み合せて、
そっちに祈っているのでした。
- 723 名前:( ´∀`)さん
投稿日:03/04/05 16:28 ID:L/L3f2Cv
- (四/八)
思わず二人もまっすぐに立ちあがりました。
___ _____________ カタンカタン
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|| || //.|| // / / || | カタンカタン
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// | ( ,,) 二 二二..ミ,, 彡二 |\\
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||||/ /し`J し`J\ \||||_ \
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カムパネルラの頬は、まるで熟した苹果のあかしのようにうつくしくかがやいて見えました。
- 724 名前:( ´∀`)さん
投稿日:03/04/05 16:28 ID:L/L3f2Cv
- (伍/八)
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|_. ∧∧ | ∧,,∧ .」 ガタタン
//! (,, ゚Д) . | ミД゚,, 彡\
// |ニ/,, ⊃二二二二二⊂ミ ノ \\
|||| |~て ) _) ( ミ〜 ||||
|||| ./ (/ ∪______し ̄ \ ||||
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もうじき白鳥の停車場だねえ。 |
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ああ、十一時かっきりには着くんだよ。 |
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転てつ機の前のあかりが窓の下を通り、汽車はだんだんゆるやかになって、
間もなくプラットホームの一列の電燈が、うつくしく規則正しくあらわれ、
それがだんだん大きくなってひろがって、二人は丁度白鳥停車場の、大きな時計の前に来てとまりました。
みんなは、一ぺんに下りて、車室の中はがらんとなってしまいました。
- 725 名前:( ´∀`)さん
投稿日:03/04/05 16:29 ID:L/L3f2Cv
- (六/八)
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|: | ] ] __ | C11 362 | ||. | |
| | | | || Southern Ginga Railwayline. ロ ||
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- 726 名前:( ´∀`)さん
投稿日:03/04/05 16:30 ID:L/L3f2Cv
- (七/八)
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.( ヽ| .) | 白鳥 |
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|20| /~~~~~~~~~~~~\
|分..| ./~~~~~~~~~~~~~~~~\
|停..| /~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\
|車..| ~~‖~~~~△~~~~~~~~~..‖~~
bbbi ‖ .‖
‖ ‖ .‖
‖ ‖ | ̄ ̄| .‖
〔二十分停車〕と時計の下に書いてありました。
ところが改札口には、明るい紫がかった電燈が、一つ点いているばかり、誰も居ませんでした。
そこら中を見ても、駅長や赤帽らしい人の、影もなかったのです。
- 727 名前:( ´∀`)さん
投稿日:03/04/05 16:31 ID:L/L3f2Cv
- (八/八)
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iiii;;; し`つ し`J
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二人は、停車場の前の、水晶細工のように見える銀杏の木に囲まれた、小さな広場に出ました。
そこから幅の広いみちが、まっすぐに銀河の青光の中へ通っていました。
二人がその白い道を、肩をならべて行きますと、二人の影は、ちょうど四方に窓のある室の中の、
二本の柱の影のように、また二つの車輪の輻のように幾本も幾本も四方へ出るのでした。