川下の向う岸に青く茂った大きな林が見え、その枝には熟してまっ赤に光る円い実がいっぱい、
その林のまん中に高い高い三角標が立って、森の中からはオーケストラベルやジロフォンにまじって
何とも云えずきれいな音いろが、とけるように浸みるように風につれて流れて来るのでした。
. . .. .. .. .. ∥
. .. .. | |
. . . .. .. . .. .. .. ..| |
. . .. .. ..| |
. .. .. .|: |
|:: |
. .. .. .. |:. |
|:: | . .,: : '+; :' :,: .
⌒ヾソ⌒ミヾ⌒ヾソミ⌒ヾソ⌒ミヾミソヾ⌒ヾミヽ. | . .:+: ':".
ミヾソoヾソミヾソヾoソヾミヾソヾoヾソミヾソヾソヾソヾ ⌒ミヾミソヾ⌒ヾミ+::'': : . . .
ミoヾソミヾoソミoヾソミヾソミoヾミヾソoヾソミヾソミヾミoヾソヾヾoミヾソヾミ⌒oヾﾐ⌒ンミヾ､ : : .
ヾミヾソミヾソミヾソミヾソミヾソミヾミヾヾソミoヾソミヾoソミヾソヾソヾoﾝ⌒ヾミoミヾ⌒ヾoミヾﾐ: :: .
i::::::l l:::l l::l::l":::l l::::l::i:::::::::l:i::::l:::::i::::i::終:::::l:::i::::::l::i::::l::i:ミヾソミヾミoヾソミヾミヾソヾソミヾミoヾミ: : .
l::::::l |::l l::l::l::::::i::l::::l::!:::::::::i:l::l::!:::i:::::終終:i::::l::::::l !::::l::i:::::::::l:i::::l:::::!:::::::i::::::::!:::::!:::::l:::l::::!::: i : : :
秋::l |:| |;i:l::l:::::i::l::::l::i:::::::::l:l::i::i::::!::終木終::!!‐ ''_'... -: ‐: ‐: … -. ‐ ‐.‐ ‐ .‐ ‐ - - : . .
'''"'"''"''"''"'"'"'"''"'"'"''"'"'"'"'".. -‐-‐:‐ ‐'': :. : : : : : : : : : : : : : : : : .
. ＿___ ,, --‐‐'': '' ": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
_.. --―'' ''": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ‐ヾ´: : : : ‐ヾ´: : : : : : ‐ヾ´＿‐ヾ´.: .＿: : .
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_.. ___ ＿_..,,､--―ゝ､ゝ≠-ゝ､ゝ≠￣ ゝ､ゝ≠ゝ､ゝ≠
. : : : : : :_:_:_:_:. -- ー''´￣ 」l 」l 」l 」l
｀￣ﾞ゛゛
だまってその譜を聞いていると、そこらにいちめん黄いろやうすい緑の明るい野原か敷物かがひろがり、
またまっ白な蝋のような露が太陽の面を擦めて行くように思われました。
─────────────────
二二二二二二二二二二二二二二二二二
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
|┏━━━━━━━━━━━┓|┏
|┃ / / / ┃|┃
|┃ ┃|┃
|┃_ _┃|┃
|┃ |∽ヾヽ ,,;;;;;;;;;;;;,.| ┃|┃
|┃ |川*ﾟヮﾟ） （・ヮ・,,）| ┃|┃
|┃ |∧,,∧j ∧∧>∪| ┃|┃
|┃ |ミ,, ﾟД彡 (ﾟДﾟ,,) | ┃|┃
|┃ |ﾐO ﾐ⊃ ⊂ ヽ | ┃|┃
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ ┛
| まあ、あの烏《からす》。 |
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿__／
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| からすでない。みんなかささぎだ。 │
＼_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／
カムパネルラがまた何気なく叱るように叫びましたので、
ジョバンニはまた思わず笑い、女の子はきまり悪そうにしました。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
| / // | // / |
| | |
|＿ ∧∧ | ∧,,∧ 」
／／! (,,^Д) | ミﾟДﾟ,,彡＼
／／,;;;;;;;;;;/,, ⊃二二二二二⊂ﾐ /ﾉﾉ∽､＼
|||| （,,. ・д） ) _) ( （｀* 川 ||||
|||| （ ∪<i,,(/∪＿＿＿＿＿＿し-|lﾟﾞｉ__ゝ ||||
||||／ヽ-- Ｊ ｀(~/~ﾉ＼||||
||||￣￣|||| ＵJ￣￣||||
＿ _＿__ ＿
／ ∩＿∩ __|＿__,,,|__ ＼
／／（ ´ー｀） （・ ） ＼＼
|||| （,, つ ）_ （{V} ） ||||
|||| ／ゝ＿ ) ) ( ( ＿ﾉ ＼ ||||
||||／ ／__）__） （_（__＼ ＼||||
||||￣￣|||| ||||￣￣ ||||
∧
／￣￣￣￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| かささぎですねえ、頭のうしろのとこに毛がぴんと延びてますから。 |
＼_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／
青年はとりなすように云いました。
向うの青い森の中の三角標はすっかり汽車の正面に来ました。
そのとき汽車のずうっとうしろの方から讚美歌のふしが聞えてきました。
よほどの人数で合唱しているらしいのでした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
| / // | // / | ｶﾀﾀﾝ
| | |
|＿ ∧∧ | ∧,,∧ 」 ｶﾞﾀﾀﾝ
／／! (,,；Д) | ミД；,, 彡＼
／／,;;;;;;;;;;/,, ⊃二二二二二⊂ﾐ /ﾉﾉ∽､＼
|||| （,,.｡・д） ) _) ( /ヽ∩川 ||||
|||| （ ∪<i,,(/∪＿＿＿＿＿＿し~~ヽｉ__ゝ ||||
||||／ヽ-- Ｊ ｀(~/~ﾉ＼||||
||||￣￣|||| ＵJ￣￣||||
＿ _＿__ ＿
／ ∩＿∩ __|＿__,,,|__ ＼
／／（ ´－） （-o・｡ ） ＼＼
|||| （,, つ ）_ （{V} ） ||||
|||| ／ゝ＿ ) ) ( ( ＿ﾉ ＼ ||||
||||／ ／__）__） （_（__＼ ＼||||
||||￣￣|||| ||||￣￣ ||||
青年はさっと顔いろが青ざめ、たって一ぺんそっちへ行きそうにしましたが思いかえしてまた座りました。
かおる子はハンケチを顔にあててしまいました。ジョバンニまで何だか鼻が変になりました。
けれどもいつともなく誰ともなくその歌は歌い出されだんだんはっきり強くなりました。
思わずジョバンニもカムパネルラも一緒にうたい出したのです。
.゛:' :+:. .
. : : ､ッミン⌒ﾐッo⌒ミッソ
l⌒i ＿ . :: :ﾐッミoッ⌒ッミoミッ⌒くo
┌(#))-┐ ::￣`ヽz..,,_ . : :ミッoミッミソッソッミッミ
／￣,ｒ'´⌒ヾ:,＾/￣|;;;:;|ll.|l.llll ーーーーー;;‐-------------‐;;ーーー: : : i :::!::::l:::l:::::!:::::!::::::
|;;;::〔_| ￠. |||. /~''=| ∥ | ;;ッﾞ: : : : . . . . . . : : ;;ﾞ
|;;:: 人.,, ﾉ;:| |≧ﾌ|_,,!.-''" ,,ﾂ". . . : . .: . : .: .: . : .ヾ,,
|;:::庄兀巫兀庄|_/／,-''" ､;;ッﾞ. . . . . . . : . : : : . . : .: .: . .ﾞヾ,,
{二二二二二二}}ﾌ） ,;;ｿ. . : .: .: . . . . . : .: .:. : ﾐ
ﾍテ㍾㍽〒/ ,,ﾂ: : : : .: .. . . .: : : : : : : : :^ヽ;;
__／＿＿ /_ ｲ. . . . . . . . . . . . : : : . .. . :.: : : : .ﾞ-;;､
_／＿＿____/__ ﾞi: : : : : : : : : : : :. . . . . . . . . . . ﾞｼ;;､
／＿＿______/__ ﾞゞ. : : : . . : ..: .:. ... . .: : : : : : : : : : ~ヾ,,
/ "ﾞ丶: : : : : : : . . . . . . : : : . . : ..: .:. .. : .: .:. :. : . : . : . : .ﾞ丶
そして青い橄欖《かんらん》の森が見えない天の川の向うにさめざめと光りながら
だんだんうしろの方へ行ってしまい、そこから流れて来るあやしい楽器の音も
もう汽車のひびきや風の音にすり耗《へ》らされてずうっとかすかになりました。
＿＿＿＿_／￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|_＿＿＿__| あ、孔雀が居るよ。 │
| / ＼＿＿＿＿＿＿ ＿／
| | ∨ |
|＿ ∧∧ | ∧,,∧ 」
／／! (Дﾟ ,,) | ミДﾟ,, 彡＼ ／￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
／／,;;;;;;;;;;/,, ⊃二二二二二⊂ﾐ /ﾉﾉ∽､＼ | ええたくさん居たわ。 |
|||| （,,. ・д） ) _) ( （ヮﾟ*川 |||| ＼＿＿＿＿＿＿＿__／
|||| （ ∪<i,,(/∪＿＿＿＿＿＿し-|lﾟﾞｉ__ゝ ||||
||||／ヽ-- Ｊ ｀(~/~ﾉ＼||||
||||￣￣|||| ＵJ￣￣||||
ジョバンニはその小さく小さくなっていまはもう一つの緑いろの貝ぼたんのように見える森の上に
さっさっと青じろく時々光ってその孔雀がはねをひろげたりとじたりする光の反射を見ました。
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| そうだ、孔雀の声だってさっき聞えた。 | カムパネルラがかおる子に云いました。
＼＿＿_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ヽ
| ええ、三十疋《ぴき》ぐらいはたしかに居たわ。 |
| ハープのように聞えたのはみんな孔雀よ。 |
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
ジョバンニは俄かに何とも云えずかなしい気がして思わず
「カムパネルラ、ここからはねおりて遊んで行こうよ。」とこわい顔をして云おうとしたくらいでした。
川は二つにわかれました。そのまっくらな島のまん中に高い高いやぐらが一つ組まれてその上に
一人の寛《ゆる》い服を着て赤い帽子をかぶった男が立っていました。そして両手に赤と青の旗をもって
そらを見上げて信号しているのでした。
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ﾒ
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;v;.;.;.;.v;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ｼ''"''"'"
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.v.;.;v.;.;.;.;v.;vv.;.;v;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ノ''"''" . .. : . : .
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.v.;vv.;.;v.;v.;.;v.;.;v.;v.;v.;.;v.;.;.;.;.;.;.;ゞ"''" +
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.v.;.;vv vv.;.;v.;v.;.;v.;.;vv;.;ｲ''"''" (( (ゞ_,ﾉﾍ､_ . .. .
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;. vv.;.;v.;v.;.;v.;.;vvv.;v v ヽ(iｺ`) ,__,,_､､､､,,__;;ｼ.;.;
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;vv.;.;v vv v v v v (つ/ゝ ,,ｲ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ゞ v v v vv vv v .. . _し'J__.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.ﾂ v vv v v vv ﾍ;.~ﾞ||X||X||.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ｼ"ﾞ^¨~ﾞ vv v vv vv ﾐ;.;.;.;:||X||X||.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
''"'''"''"'''"" v vv v v v v ､ノ;.;.;.;.;.||X||X||;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;
.. : . .. . v v vv ミ.;.;.;.;.;.;.;||X||X／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
+ vv v vv v v 〔;.;.;.;.;.;.;.;||X||X| いまこそわたれわたり鳥、 |
v vvv v vv v ヾ--､;.;.;||X||X＼＿＿＿ ￣￣￣ヽ
vv v vv vvv vvv v ｀ー -- ､,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.| いまこそわたれわたり鳥。│
v vv vv vv vv v v vv ¨~~｀ー ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／
その声もはっきり聞えました。
それといっしよにまた幾万という鳥の群がそらをまっすぐにかけたのです。
─────────────────
二二二二二二二二二二二二二二二二二
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
|┏━━━━━━━━━━━┓|┏
|┃ / / / ┃|┃
|┃ ┃|┃
|┃======================┃|┃
|┃ | ,;;;;;;;;;;;;| ┃|┃
|┃ |￣￣! （д‐ .,,）┃|┃
|┃ | ∧,,∧ ∽ヾヽ ∧∧>∪| ┃|┃
|┃ |ミ,,ﾟДﾟ彡j l*ﾟヮﾟ）(,,ﾟДﾟ)_ノ | ┃|┃
|┃ |(ﾐ ﾐ) <__/ﾟl_j (,, つ | ┃|┃
|┗━━━━━∧━━━━━┛|┃
／￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| まあ、この鳥、たくさんですわねえ、│
| あらまあそらのきれいなこと。 |
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／￣￣￣￣ヽ
| ………… |
＼＿_＿＿_／
女の子はジョバンニにはなしかけましたけれども、ジョバンニは
生意気ないやだいと思いながらだまって口をむすんでそらを見あげていました。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
| / // | // / | ｶﾀﾀﾝ
|=============| |
|＿ ∧∧ | ∧,,∧ 」 ｶﾞﾀﾀﾝ
／／! (ﾟ ,,) | ミДﾟ ,,彡＼
／／,;;;;;;;;;;⊂ ,,)二二二●⊂ﾐ /ﾉﾉ∽､＼
|||| （,,. -д）| |～ ( （-ﾟ*川 ||||
|||| （ ∪<i,,_ し｀Ｊ＿＿＿＿＿し-|lﾟﾞｉ__ゝ ||||
||||／ヽ-- Ｊ ｀(~/~ﾉ＼||||
||||￣￣|||| ＵJ￣￣||||
女の子は小さくほっと息をしてだまって席へ戻りました。カムパネルラが気の毒そうに
窓から顔を引っ込めて地図を見ていました。
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| あの人鳥へ教えてるんでしょうか。│女の子がそっとカムパネルラにたずねました。
＼＿＿＿＿＿_＿＿＿＿＿＿＿＿_／
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| わたり鳥へ信号してるんです。 .|
| きっとどこからかのろしがあがるためでしょう｡ |
＼_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／
カムパネルラが少しおぼつかなそうに答えました。そして車の中はしぃんとなりました。
ジョバンニはもう頭を引っ込めたかったのですけれども、明るいとこへ顏を出すのが
つらかったので、だまってこらえてそのまま立って口笛を吹いていました。
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,'',;:;:;:;:;:;:;:;:,'',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;'',;:;:;:;:;:;:,'',;:;:;:;:;:;:;:,'',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
.. : . .. .
..彡ﾐミ 彡ﾐミミ彡 彡ﾐミ彡ﾐミ ミ彡 彡ﾐミ彡 ﾐミミ彡彡ﾐミ 彡ﾐミミ彡/彡ミﾐミ彡
ﾐミ ミ彡ミ彡ﾐミ 彡ﾐミ彡ミ彡 彡ミ彡ﾐミ 彡ﾐミ ミ彡ミ彡 彡ﾐミ彡ﾐミミ ミ彡ﾐミ彡
ミ彡/彡ﾐミ彡ﾐミミ/彡ﾐミ 彡ﾐミミ彡彡ﾐミ彡ﾐミ ミ彡 彡ﾐミ彡 ﾐミ彡/ミﾐ 彡ミﾐミ
彡ﾐミ ミ彡ミ彡ﾐミ 彡ﾐミ彡ミ彡 彡ミ彡ﾐミ 彡ﾐミ ミ彡ミ彡 ﾐミ彡ﾐミミ彡ミﾐミ彡
∧∧
(Дﾟ ,,)
二⊂ ,,)二二二
o
γ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒O ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ヽ
（ どうして僕はこんなにかなしいのだろう。 ）
（ 僕はもっとこころもちをきれいに大きくもたなければいけない。 ）
（ あすこの岸のずうっと向うにまるでけむりのような小さな青い火が見える。 ）
（ あれはほんとうにしずかでつめたい。僕はあれをよく見てこころもちをしずめるんだ。 ）
ゝ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ノ
∧∧
(；∩,,)
二 ｿ ,,ヽ二二二
o
γ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒O ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ヽ
（ ああほんとうにどこまでもどこまでも僕といっしょに行くひとはないだろうか。）
（ カムパネルラだってあんな女の子とおもしろそうに談《はな》しているし ）
（ 僕はほんとうにつらいなあ。 ）
ゝ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ,,,, ノ
ジョバンニの眼はまた泪《なみだ》でいっぱいになり
天の川もまるで遠くへ行ったようにぼんやり白く見えるだけでした。