- 177 名前:( ´∀`)さん[sage]
投稿日:04/06/27 23:04 ID:mtpN6ycm
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良い話つて言へばお氣に入りがあるんですよ
―――ヽ――――――――――――――
ほう、どんなのだ
――――――y――――――――――――
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∧_∧ |―― ∧∧─―〇|
( ´∀`) | (゚Д゚,,) |
__< ! y >| ( /つl⌒l⌒l |
_∧_/~~ ~ノJ ( ノつ)| ̄ ̄ ̄|
|_| し| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 178 名前:( ´∀`)さん[]
投稿日:04/06/27 23:05 ID:mtpN6ycm
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アメリカ人捕虜收容所がある川のほとりに少年が家族と住んでゐた
∧∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(,,゚Д゚) <晝食に使ふ芋を洗はう
⊂ ⊃○ \_______
〜| |
し`J
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″ ″
- 179 名前:( ´∀`)さん[sage]
投稿日:04/06/27 23:06 ID:mtpN6ycm
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洗つてゐる途中に川に落としてしまつた芋は川を流れて收容所の中の
川べりで洗濯してゐた亜米利加人捕虜に拾はれた
&/
┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐/ ┌┬┬┬
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/ /
∧∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
( )∩< 其れを返してくれ! /
| ノ \_______ /
〜| | / /
し^J / /
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しかし手を大きく振つても言葉が違ふのが災いして、捕虜たちは
自分達に呉れた物だとすつかり思ひ込んで手を振り返してくる始末だつた
- 180 名前:( ´∀`)さん[]
投稿日:04/06/27 23:06 ID:mtpN6ycm
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始めは返してもらはうとしてゐた少年だつたが捕虜たちの餘りの喜び樣に
上げても良いかと思ひ、芋は落としてしまつた事にして家に歸ることにした
(あんな物であそこ迄喜ぶなんて餘り食べてゐないに違ひない)
∧∧ ◯
(,,゚Д゚)°
⊂ つ
0 |〜
`J
″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″
さう思ふと捕虜が氣の毒になり、毎日蝕べ物を流してやる事にした
- 181 名前:( ´∀`)さん[sage]
投稿日:04/06/27 23:07 ID:mtpN6ycm
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しかしある日、こつそり持ち出して川に流さうとしたところを祖父に見つかつてしまつた
∧_∧ ∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( `Д´)丿<お前は皆がお國の爲に一丸と
⊂ 丿 |なつてゐる時に何をしてゐるか!
ノ γヽ \_____________
(__丿\__ノ
∧ ∧
(>Д<)
u u ヽノ
(_(____つ
- 184 名前:( ´∀`)さん[]
投稿日:04/06/27 23:14 ID:mtpN6ycm
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少年は毆られる覺悟で間違へて流した芋に米兵が喜んだ事、だからそれ以來流してゐるのだと
言ふ事を説明した。其れを聞いた祖父はむすつとした顏のまゝ
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( `Д´)<…お前は非国民だが非人間ではないな
( ) \_______________
| | |
(__)_)
と、言ふとそのまゝ行つてしまつた
- 185 名前:( ´∀`)さん[sage]
投稿日:04/06/27 23:15 ID:mtpN6ycm
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そして終戰を迎へ、あの收容所にゐた米兵も歸つて行つたが少年のもとに禮には來なかつた
祖父は「所詮米兵なのだ」と言ひ、少年はすこし悲しくなつた
ある日、混亂があるにせよ戰爭の無い日常をすごしてゐると米軍機の音が鳴り響いた
「亞米利加の爆撃だ!!」誰かゞ叫び、町は慌しさに包まれた
° °
____ ° °
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/ \ \ | ゝ、 | :::| r―i-i ° °
( ヽ ∧_∧ ヽ、|r  ̄ ̄γ‐-、__ °
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| | | | :::| Y 人, ::| | :::| | :::i °
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- 186 名前:( ´∀`)さん[sage]
投稿日:04/06/27 23:16 ID:mtpN6ycm
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しかし落ちてきたものは一向に爆發する氣配はない、少年がそのうちの一つを手にとつて
見てみるとそれは
゜゚・*:.。゜
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/ ヽ
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ヽ |
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ぴかぴか光る銀色の包み紙に包まれたチョコレートだつた