釣り支度をした老人と子供が道を往く
孫だらうか、坊やは意氣軒昂である
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『壱：旧』
老人は身を屈めて柄付き網で岸邊をしやくい廻つてゐる
魚は網で掬ふものかと見てゐると、さうではない
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〜〜 『弐：旧』
老人は餌にする小海老を獲つていたのだ
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『参：旧』
坊やも真似て針に海老を付けて水面に絲を垂れる
水面に浮きが直立する
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ヘ ∧∧
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『四：旧』
浮きにトンボが停まる
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〆ゞ
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--------------------------------ここまでは老人と同じだ
『伍：Ｑ』
が、この先が違ふ
老人の浮きからトンボが飛び立つと見る間に
竿頭は宙に跳ぜ、小海老は三寸ほどの魚に成つてゐた
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頭から尾までさつと刷いたやうな虹色の霞がかかつている
実にうつくしい魚だった
『碌：旧』
魚には玄人と素人との見分けがつくらしい
素人を蔑んでゐるのである ばかにしてゐるのである・・・
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(Д；,,) ( y )
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『奈菜：旧』
帰って空の魚篭(ビク)を見せたら
妻は少し呆れ顔で微笑んだ
ΛΛ
(,,ﾟДﾟ) /ﾉ人ヽ
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『鉢：旧』
この夏は祖父の三回忌になる
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『劇：終』
∧∧ ---------------------釣りの場面は
( ﾟДﾟ) |! 井上ひさし著『東京セブンローズ 上』を
/ y~|⊃ 参考にしました。-------------------
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