- 437 名前:ミリタリー屋
投稿日:01/10/10 13:56 ID:HvnwKWXI
- …1945年の沖縄の空と海は血に染まっていた。
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⊂二二二二二二二二二二二二二二二⊃
|| \ 、∞ , / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|| \(゚Д゚)< 突撃ィ〜!
|| ,!ニニ!、 \______
○ | | | ○
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- 438 名前:ミリタリー屋
投稿日:01/10/10 13:57 ID:HvnwKWXI
- その日私が乗っていた駆逐艦の僚艦である
ニューカムにカミカゼが突入した。
そのカミカゼのパイロットは突入時に機体から
放り出されたらしく、我が艦が拾い上げた。
そのとき既に彼は虫の息だった。
∧∧
⊂(-Д-)
(__∪)
- 439 名前:ミリタリー屋
投稿日:01/10/10 13:57 ID:HvnwKWXI
- 軍医は私に向かってこう告げた。
「こいつはもう助からない。神父さん。最後に
祝福を与えてやって下さい」と。
.__
J_†_| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(,,゚Д゚) < 神は全ての罪を許したもう。
ハ ̄ ̄`つ | 汝の魂に幸いあれ…
し ╋| |
|___| \____________
∪ ∪ ∧∧
⊂(-Д-)
(__∪)
…その時、彼は太陽を見上げて「OH,SUN」と
二回呟くと事切れた。
- 440 名前:ミリタリー屋
投稿日:01/10/10 13:58 ID:HvnwKWXI
- 水葬の準備をしていると,水兵たちが私にこう尋ねた。
「神父さん、こいつは最後になんて言ったんです?」と。
私は「彼は太陽を見ながら「OH、SUN」と言ったよ」と答えた。
水兵たちが不思議そうな顔をしているので
J_†_| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ=v=ノ
(,,゚Д゚) < きっと彼らの宗教では太陽が (゚Д゚,)
ハ ̄ ̄`つ | 神聖なものなのだろう。 | 。 y'
し ╋| | さあ手厚く葬ってやろう。 | 。
|___| \____________ ∪∪
∪ ∪
と私は告げた。彼らはそれで納得したようだった。
その後我々はそのパイロットの亡骸を水葬に付した。
その時我が艦の乗組員達は国家の大儀に殉じた
彼に対して,全てのものが敬意を表していたように思う。
- 441 名前:ミリタリー屋
投稿日:01/10/10 13:59 ID:HvnwKWXI
- それから30年経ったある日、私の元に日本からの来客があった。
私はあのときから疑問に思っていた「どう考えても日本人が
「OH、SUN」というとは思えないのだが…」と彼に質問してみた。
すると彼は
「きっとそれはオカアサン(Mother)と言ったのだと思う」
∧ ∧
(,,゚Д゚) y━~
/ y~|⊃
〜(_|⊃)
と答えたのだ。
- 442 名前:ミリタリー屋
投稿日:01/10/10 14:01 ID:HvnwKWXI
- そうか、そうだったのか。
彼は死に面して家族の事を思い、別れを告げていたのか。
私はその日、沖縄で水葬の礼を行なったパイロットの霊に
対して,再度神の祝福があるよう祈りをささげた。
またそれからは、カミカゼのパイロットといえども決して
バーサーカーではなく、家族に思いを馳せる普通の人の子で
あった、と言う事を教会に来る人々に伝えるようにしている。
|_†_レ
(゚Д゚,,)
" ⊂" ̄ ̄ハ⊃
∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ | ̄ ̄† ̄ ̄|
( ∧ ∧ ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ | ∝∝∝∝.|
〜(_( ∧ ∧ __( ∧ ∧__( ∧ ∧ ̄ ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_( ∧ ∧_( ∧ ∧
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
…彼の魂に天国での安らぎがあらんことを。
- 443 名前:ミリタリー屋
投稿日:01/10/10 14:03 ID:HvnwKWXI
- AA書けないのでコピペで済ませてしまいました。
お目汚しスマソ。
元ネタは20年以上前に「丸」に載っていた従軍神父の目から見た
カミカゼ体験記です。