∧w∧ 今日は私のちょっとした思い出話に
（,,*ﾟーﾟ） お付き合いくださいな
/ つ旦~
＠（,, ,,)
幼なじみのギコさんが都会へと旅立ってから、もう何年
過ぎたことでしょうか
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_ ⌒⌒ ^^
.'´ ｀. ^^
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あの日ギコさんは、退屈な田舎暮らしが嫌だといって
実家を飛び出して都会へといってしまいました
ｵﾔｼﾞﾉ ﾜｶﾗｽﾞﾔﾒ!!
ｵﾚﾊ ﾄｶｲﾆﾃﾞﾃ
ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾀﾗｸﾝﾀﾞ ｺﾞﾙｧ!!
∧∧ ∧∧ ……
(ﾟДﾟ#) (ﾟ-ﾟ ；)
（ C _) | ∪
| |.ﾛ) | |＠
V_ノ ) ) ). し｀J
はじめの頃は毎週くれていた手紙も時を追うごとに減っていき、
もう今では完全に連絡が途絶え、彼がどうしているか知る術もありません
でも最後にくれた手紙を読み返すうち、なんとなくわかってしまいました
彼に都会で恋人ができたということが
∧∧ ……
(, ⌒ヽ
＿＿ （ ヽ
＼ヽヽ(,, ＠,
そして私は初めて自分の本当の気持ちを知りました
私はギコさんのことが本気で好きだったということを
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| ;; ,,;'
;;´ ;;''
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＼ ﾎﾟﾂｯ ""'''''''''''""
＼ ⊂⊃。〜〜〜〜〜〜 〜〜〜
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＼ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜
…自分の気持ちを知ると同時に 激しく後悔しました
どうしてギコさんの苦しみをもっと理解してあげられなかったのだろう？
どうしてもっと相談にのってあげられなかったのだろう？
どうしてあの頃に 自分の気持ちに気づかなかったのだろう？
今はもう すべて遅すぎるのに
…あの人はきっと今も 自分の夢を追い続け
前に進んでいることでしょう
なのに私は時間が止まったまま 昔から何も変わることなく
この田舎に留まり続けています
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─┘ ｜ 田｜ ┘ ∧ﾍ † † └──;;; |;;;;|
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v*
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。
O
'⌒´｀⌒´｀○⌒´｀⌒´｀⌒´｀⌒´｀⌒´｀⌒´｀⌒´｀⌒´｀⌒
（ ……思い出しますね…
（
（ 子供の頃、このニラ畑の小道を歩いてると、
（ あの人がいつも畑から声をかけてくれたものでした
（
（ ∧∧
（ (ﾟヮﾟ*)/)゛
（ ,,. （ ,,/ ) ) v w ,,,
（ ""｀''' ''゛''｀´ "゛"'゛^'''''´""^""''' '´' ゛"'゛^''｀'｀''""""
（ ｵ､ ｼﾞｮｳﾁｬﾝ ｺﾝﾆﾁﾊ
（ ∧w∧ " "" " "
（ （ ,,,ﾟ） ∧ﾍ ｵｰｲ ｼｲﾁｬｰﾝ "" " "
（ （ ） ( ,,ﾟ)/)゛
（ ^'^ | ＠| ＠ ノ ^'^'^'^'^'^'^'^'^'^'^'^'^'^'^'^'^
（ ,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v
（ /V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V
…？ !/_ v*
∧∧:: '',, vV/vV/vV/vV/vV/
（ *ﾟ）:: ,, vV/vV/vV/vV/vV/
（ ::）:: ,,, vV/vV/vV/vV/vV/
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し' J::::::::::::::: ;;,, vV/vV/vV/vV/vV/
あれは…？ まさか…
∧w∧
(( （::::::::::::）
,.,.,.,.,,/:::::::::::::つ8<,.,.
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,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,
,,.,.,...,. ＿_ ,,.,.
;;:;:;::;:;:;:;:;: /ﾊﾞｽヽ ,.,.,.,.;:;:;:;:;:;:;
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,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.|＿|.,.,.,.,.,,.,.,. (ﾟдﾟ*) ｷﾞｺｻﾝ…？
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/ つ８＜
（ ）
｜ よ、よう。 しいちゃん、久しぶりだなﾌｫﾙｧ
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∧w∧
（ﾟДﾟ；,,）
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｜ ど、どうしてギコさんがここにいるんですか？！
｜ 都会に出て働いていたはずじゃ…
｜ まあ話せば長いことながら、だ
｜ …立ち話もなんだし、あっちでゆっくり座って話そうや
└──────────────y────────
∧w∧
（,, ﾟДﾟ）
,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,（ つ,.,.,.,.,,.,.,.,.,.,,.,.,.,.
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v,v,v,v,v,v（,, ；ﾟ）,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v,v
V/V/V/V/ ）V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V/V
|| || || || ＠ / || || || || || || || || || || || || || || || || || ||
┌──^──
｜ ……
｜ …とまあ そういうわけだ
└──v─────────
｜ そうだったんですか…
｜ 病気で倒れられたおじ様の代わりに
｜ この畑を継ぐために戻ってきたと…
└─────v───────────
ﾏｱ ﾄﾚﾀﾃﾉﾆﾗﾁｬﾉﾒﾔ ﾌｫﾙｧ
∧w∧ ∧∧ …ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｽ
（,, ﾟДﾟ） （ﾟ * ,,）
旦 ( つ゛旦 と⌒ ヽ
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;;.(⌒(⌒ﾉ ;;,,,..;;
) )) し' し' y/ Y し' し' ));） ）
// ; / //; ::; , '/ /
ノ ﾉﾉ ;; ノ , ノノ ; : ノ; :ノ
vV/vV/vV/vV/vV/vV/vV/vV/vV
V/vV/vV/vV/vV/vV/vV/vV/vV/
ｽﾞ…
┌───────────────────────────
∧w∧ ｜ 俺は別に都会での生活が嫌いになったわけじゃないんだが…
（-д-,,） ＜ 向こうで病気してニラ茶を久々に飲んだとき、
"旦と ）. ｜ なぜか突然思い出しちまったんだよな
;;.(⌒(⌒ノ;;;;;;｜
し' し' . ｜ 子供の頃の親父との約束を
└───────────────────────────
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
駄目になるかもしれないな。 | .| あんたちょっと腰が
まだお前は中学生だが…継いでくれるよな？ .| .| 悪くなってきたみたいだねえ…
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿＿／ ＼ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
∨ ∨
∧w∧ ∧w∧ ∧w∧
（ ﾟДﾟ） （ﾟДﾟ ,,,） (ﾟ−ﾟﾐ)
/ | | ヽ | ヽ
＠（ ） ／⌒⌒⌒⌒ヽ （ ）＠
／※※※※ ／
「ああ、ニラ茶のためにも、お父さんのためにも、
ニラの茶畑を誇りを持って継いでみせるよ」
｜ そのとき、やっと俺は自分の本当の気持ちも思い出したんだ
｜ 俺は親父もニラ茶も、今でも大好きなんだってことをな…
｜ なんであの頃の俺はそんなことすら気づかなかったんだろな？
└────v──────────────────────
｜ …！！
└─v────
∧w∧ ∧∧ !/
（ﾟДﾟ ,,） （ﾟ * ,,） ´
旦⊂ ） 旦⊂ ）
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;.(⌒(⌒ﾉ ;;,,,..;;
) )) し' し' y/ Y し' し' )) ）
｜ 親父にそれを伝えるのに、なんとか間に合ったからよかったよ
｜ じゃなかったら、きっと今ごろ死ぬほど後悔してただろうな…
└────v──────────────────────
｜ ……
└─v───
∧w∧ ∧∧
（ﾟДﾟ ,,） （。。*,）
旦⊂ ） 旦⊂ ）
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;.(⌒(⌒ﾉ ;;,,,..;;
) )) し' し' y/ Y し' し' )) ）
｜ 弟達も上は大学に居残るつもりみたいだし、
｜ 下はまだ自分のしたいことがみつからなくて
｜ ふらふらしてるようだし…
└────v───────────────
｜ ギコさん… あの…
└──────v─────
∧w∧ ∧∧
（,, ﾟДﾟ） （ﾟ * ,,）
旦⊂ ） 旦⊂ ）
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;.(⌒(⌒ﾉ ;;,,,..;;
) )) し' し' y/ Y し' し' )) ）
┌────^────────────────
｜ ん？ ああ、ごめん。 久しぶりに会ったてのに
｜ 俺自分のことばっかり話してるな
｜ そうじゃなくて、
｜ 戻ってきてたのならどうして
｜ 連絡してくれなかったんですか？
└──────v────────
(⌒⌒⌒⌒⌒)
（ う…… ）
｀ Oo｡ ´
∧w∧ ∧∧
（Дﾟ；,,） （ﾟ * ,,）
旦⊂ ） 旦⊂ ）
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;.(⌒(⌒ﾉ ;;,,,..;;
) )) し' し' y/ Y し' し' )) ）
｜ ……それは、その…、
｜ 君が手紙をくれても返事を書かなくなったのは
｜ 俺のほうだったし、あっちで彼女作ってたから
｜ なんだか顔合わすのが気まずくて… ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ…
└────v─────────────────
∧w∧ ∧∧
（д-；,） （ﾟ * ,,）
旦⊂ ） 旦⊂ ）
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;.(⌒(⌒ﾉ ;;,,,..;;
) )) し' し' y/ Y し' し' )) ）
｜ …あちらの彼女さんとは？
└──────v─────
∧w∧ ∧∧
（ﾟДﾟ ,,） （ﾟ * ,,）
旦⊂ ） 旦⊂ ）
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;.(⌒(⌒ﾉ ;;,,,..;;
) )) し' し' y/ Y し' し' )) ）
┌───^───
｜ …別れた。
｜ ご、ごめんなさい、嫌なこと聞いちゃって…
└───────────y───────
∧w∧ ∧∧
（ﾟДﾟ ,,） （｡ ｡ ；）
旦⊂ ） 旦⊂ ）
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;;.(⌒(⌒ﾉ ;;,,,..;;
) )) し' し' y/ Y し' し' )) ）
┌────^──────────────────
｜ いいさ。 彼女は根っからの都会っ娘だったから、
｜ 一緒にここまで連れてくることができなかったのさ。
｜ 彼女もそれはわかってくれていたんだ。
｜ …彼女は最後に、俺がいつか故郷に帰るって言い出すことが
｜ わかってたって言ってた。 あれは結構こたえたな…
｜ 彼女には辛い思いさせて、本当に悪いことをしたよ
└────v──────────────────────
∧w∧ ∧∧
（д- ,） （ﾟ * ,,）
旦⊂ ） 旦⊂ ）
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;.(⌒(⌒ﾉ ;;,,,..;;
) )) し' し' y/ Y し' し' )) ）
…あちらでもいろいろなことがあったのでしょう
いつもおじ様とけんかばかりしていたあの頃からは考えられない、
何かふっきれたような 落ち着いた感じの人に変わっていました
不器用なやさしさはあの頃のままに
｜ …ギコさん、私にも畑のお手伝いさせてもらえないかしら？
└──────────v───────────────
∧w∧ ∧∧ ﾖｲｼｮ…ｯﾄ
（,,；ﾟД） /⌒゛ヽ)゛
旦⊂ ） と（ ⌒)゛
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;;.＠- ´;;; ;.
) )) し' し' y/ Y ) ) )) ）
┌────^──────────────
｜ へ？ そ、そりゃ助かるけど… なんで？
｜ それは… ううん、私もやってみたいんです。 それだけ…。
└──────────v───────────────
∧∧;:
∧w∧ （ *）;
（,, ﾟД） （ ）;:
旦⊂ ）. |＠ |;
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;;,,,..;;,,,,;;; ;.,,
) )) し' し' y/ Y ) ) )) ）
｜ …しいちゃん、もしかして泣いてんのか？
└───v──────────────
｜ …そ、そんなことないですよ
└──────y──────
∧∧ ｺﾞｼｺﾞｼ
∧w∧ （ *∩))
（ ,, ﾟ） （ ノ
旦⊂ ）. |＠ |
;;,,;;,,;;;(⌒(⌒ノ ; ;;,;;;,,,..;;,,,,;;; ;.,,
) )) し' し' y/ Y ) ) )) ）
それは…
私もまだ間に合うかもしれないから…
今度こそいつもそばにいたいから
また同じ後悔はしたくないから
∧∧
（*"ー）
（ ）
|＠ |
.し'し'
いつかきっと この気持ちをあなたに伝えたいから
＝ 糸冬 ＝