53 名前:who(1/8)[] 投稿日:04/04/05 15:09 ID:0LbTpghv
では、貼らせて頂きます。

戦国時代の末期、孟嘗君というひとかどの人物がいた。

  ∧旦∧ 
 ( ´∀`) <まあまあ。マターリいこうよ。
 (    ) 
 | | |            ∧_∧ 
 (__)_)            (゜Д゜)<あんなこそ泥や特に才能も無いやつ
  ↑              ⊂ ⊂|  を養ってどうする気ですか?
  孟嘗君              | 、| 〜
                   ∪∪

 )))◎(メ・ハ・)オカネイパーイ イイ!

                           ∠ ̄\∩
      +激しくクックルゥドゥドゥドゥ+       |/゚∋゚|丿
                          〜(`二⊃
                           ( ヽ/
                            ノ>ノ
                           UU
その食客(金持ちの人が雇う(というより居候させる)人材のこと)のなかには、こそ泥や、ただ物まねがうまいだけの人材もいたが、孟嘗君は特に差別するでもなく、気長に養っていた。


 
54 名前:who(2/8)[sage] 投稿日:04/04/05 15:11 ID:0LbTpghv
ageてました…ごめんなさい。

ある時、孟嘗君はある事情から秦の王に命を狙われ、逃げなければならなくなった。

  ∧旦∧ 
 (; ´Д`) <し…しかしここには賄賂に贈れるような物が無いぞ!
 (    ) 
 | | |            ∧_∧ 
 (__)_)            (゜Д゜)<うまく逃げ出せるように権力者に
                 ⊂ ⊂|  賄賂を贈り、力を借りるのです!
                    | 、| 〜
                   ∪∪
 我々にはどうしようもない…。
  ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
 (;・∀・)(・∀・; )( ;  ) (    )ベンキョウトカシカシテナカッタカラナ…。

ついに一巻の終わりかと思われた、そのとき。

 
55 名前:who(3/8)[sage] 投稿日:04/04/05 15:12 ID:0LbTpghv
一人の男が、孟嘗君に言った。


     
     .........::::::::::::::.::::::(・八・)<私が賄賂になる珍品を盗んできましょう。



それは、食客の一人の、こそ泥であった。

 
56 名前:who(4/8)[sage] 投稿日:04/04/05 15:15 ID:0LbTpghv
こそ泥はうまく珍品を盗み出し、孟嘗君たちは都を脱出することが出来た。
                               ⊥   ⊥
                               ○<>○
                             __|___|_
   ∧旦∧                     |         |
  ( ´∀`)⌒\ <助かった…。        |         |
   つ/と)   )
   Y 人(__)
   (_)(_)


しかし

 
57 名前:who(5/8)[sage] 投稿日:04/04/05 15:17 ID:0LbTpghv
函谷関の関所は、一番鳥が鳴かないと開けない、というきまりになっていた。


   て ノノノノ
  そ ( ゚∋゚) ←一番鳥
    (  ⌒\
     \  .イミ
      )) |
     ((  |    | ∧_∧
        ヽ |    |(-∀-; ) <なんか、寝にくいんだよね…。
      (( |    |と    )
       ヽ |     || | |
       ノ ミ    (_(__)←門番


  ∧旦∧
 (;´Д`)<もうだめぽ!!
  つ  つ
  ) ) )             ∧_∧ 
 (__)_)            (゜Д゜)<このままでは追いつかれます!
                  ⊂ ⊂|  
                    | 、| 〜
                   ∪∪


いまは夜更け。孟嘗君の命もこれまでかとおもわれた、そのとき。

 
58 名前:who(6/8)[sage] 投稿日:04/04/05 15:18 ID:0LbTpghv
一人の男が、孟嘗君に言った。



                 X
            ∠ ̄\∩
              |/゚U゚|丿<私がこの窮地を切り抜けて見せましょう。
            〜(`二⊃
             ( ヽ/
              ノ>ノ
             UU

それは、食客の一人の、鶏の鳴きまねが上手な男だった。

 
59 名前:who(7/8)[sage] 投稿日:04/04/05 15:19 ID:0LbTpghv
男は上手に鶏の鳴きまねをして見せた。

   て ノノノノ
  そ ( ゚∋゚) ←一番鳥
    (  ⌒\
     \  .イミ
      )) |
     ((  |    | ∧_∧  ハッ
        ヽ |    |(・∀・; ) <は、早く門を開けなきゃ!
      (( |    |と    )
       ヽ |    | | | |
       ノ ミ    (_(__)←門番


                           ∠ ̄\∩
      +激しくクックルゥドゥドゥドゥ+       |/゚∋゚|丿
                          〜(`二⊃
                           ( ヽ/
                            ノ>ノ
                           UU

この鳴きまねを本物と勘違いした門番は、急いで門を開けた。

 
60 名前:who(8/8)[sage] 投稿日:04/04/05 15:21 ID:0LbTpghv
こうして、孟嘗君一行は無事に逃げ切ることが出来た。

              ∧旦∧
             ( ´∀`)
             (    )
             | | |
             (__)_)

この故事のように、たとえはためにはくだらない能力でも、何かひとつでも優れたものがあればそれは身の助けになるということを、「鶏鳴狗盗」という。 

 
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