544 :WARDS :03/04/16 21:20 ID:Ct2dfuou






      LIE







 
545 :WARDS :03/04/16 21:20 ID:Ct2dfuou

      その病院は病弱なカップルがいた

      男は脊髄が、女は心臓が悪かった

      それでも二人は幸せそうだった




;;              ____∧∧_      ∧∧  _______    
             /____(*゚Д゚) . |     (ー^*)/ ______/|
  ..:::::        / ̄____ し  |j |       |  J  ̄ ____ /  |
           / ̄ ̄         ヽ `,/      , ,´ 丿 ̄ ̄     // /
         / \        // .J J      /        // /
          |~~~~~~~~~~~~~~~||  /        ||~~~~~~~~~~~~~~||  /
        ||          ||/          ||         ||/ 
         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   


      重い、重い病気で男も女も移植しかないだろうと言われた

      ドナーが見つかるまでの辛抱と待ち続けた


 
546 :WARDS :03/04/16 21:21 ID:Ct2dfuou

      二人はいつか助かると信じていた

      「僕の心臓が君に合えば君にあげれたのに」

      「私の脊髄があなたに合えばあなたにあげれたのに」

      そんなことを言いながら時間が過ぎていった


                   ∧∧ ∧∧
                  (*゚Д゚) (゚ー゚*)
                   | つ  |   J 
                 〜|  |  |  |〜
                   し´∪ し´J

      いつまでたってもドナーは現れない

      ただ刻々と時間が無駄に流れて行った


 
547 :WARDS :03/04/16 21:21 ID:Ct2dfuou

      でも、その時間には期限があった

      だって二人は病気なんだから

      男が病魔に殺されそうになるのに時間はかからなかった


               
                _ ∧∧__ ∧∧
               /_ (Д~;) _ (-T* )
    ..:::::        / ̄_____/⊂  |
             / ̄ ̄       /∫ |  〜     
           / \        // ./(/´ヽ)   
           ||~~~~~~~~~~~~~~~||  /
          ||          ||/  
           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄             
             
      男は苦しそうにうなった

      女は医者に何度も頼んだ

      「私の脊髄を使ってもいいから彼を助けてあげてください」 と

      その願いは叶えられないと医者は女に言った


 
548 :WARDS :03/04/16 21:22 ID:Ct2dfuou

      男は苦しんで

      苦しみ抜いた末に死んだ

      「僕は生きていたかった・・・!君は生きるんだ・・・行き抜くんだ」

      それが男の遺言だった


               
                _ ∧∧__ ∧∧
               /_ (Д-,,) _ (-T* )
    ..:::::        / ̄_____/⊂  |
             / ̄ ̄       /∫ |  〜     
           / \        // ./(/´ヽ)   
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          ||          ||/  
           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   

       苦しみ抜いて死んだ割にはやすらかな顔

       女にはこの男こそ全てだった


 
549 :WARDS :03/04/16 21:22 ID:Ct2dfuou

       さぁ、これからどうする女?

       あの男は死んでしまった

       いずれこのままでは君も死んでしまうだろう


        ────────────────
                        _
                ┌───┐[しぃ]
                |      |  ̄
                |      |
                |      o|
                |      |
                |      |
         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


       彼女は病室に引きこもった

       自分にも迫る死の恐怖と

       大切なものを失った悲しさにつぶされそうだったから


 
550 :WARDS :03/04/16 21:22 ID:Ct2dfuou

       その時だった

       医者は男の遺体を調べてあっと驚いた

       「彼女は助かるぞ!」

       医者は大声をあげた



               ∧◎∧
              (・∀・ ;)
             i~i~i⊂| ̄)
             (_◎_)  ̄|
         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



       奇跡というべきか

       男の心臓が女の心臓の代わりに

       つまりドナーになることを医者は発見したのだ


 
551 :WARDS :03/04/16 21:23 ID:Ct2dfuou


       単なる医療ミスではないのかな?

       ――おそらくそれはないだろう

       二人はたくさんの医者に診てもらってきたから





           ∧◎∧           ∧∧
          ( *・∀・)          (゙−゚*)
          ( ヽΩ )           |   J
          /__人_ヾ             |  |〜
           (  ) )           し´U



       医者はすぐに彼女に知らせた

       女は少し思い悩んだが結局手術を受ける事にした

       医者にはなぜ女が悩んだかわからなかった




 
552 :WARDS :03/04/16 21:23 ID:Ct2dfuou




       女は遺言を聞いていた

       男の遺言を女は守った

       「僕は生きていたかった・・・!」





                         FIN


 
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