- 530 :WARDS :03/04/16 01:18 ID:V1i91TSQ
HOPE
- 531 :WARDS :03/04/16 01:18 ID:V1i91TSQ
――と、ある所に一軒の店があった
そこはあまり人の出入りがなく、繁盛してるとは言いがたかった
- 532 :WARDS :03/04/16 01:19 ID:V1i91TSQ
そこは人が買い物に来ることはめったにない
でも不思議とつぶれずに店は立っていた
その店は他では買えない物があったからだ
/ / / |
___________/__________/ |
| ┌──────┐ | ┌───┐ | |
| | | | │ | | |
| └──────┘ | └───┘ | /
| | | /
| ┌──┐ | ┌──┐ | /
| | │ ┌┬┐ | | | | /
| | o| ├┼┤ | | | | /
| | | └┴┘ | | | | /
| | | | | | |/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧∧
( )
| U
〜 |
(/´ U
「あぁ・・・ここか・・・」
男が一人この店にやってきた
ここでしか買えない物を求めて
- 533 :WARDS :03/04/16 01:19 ID:V1i91TSQ
「すいません、ここで売っている物が欲しいのですが」
男は店主に聞いた
「ここはお客さんに一番必要なものしか売っていませんよ?」
∧∧
(,,゚Д゚)
|U つ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
__
∧_∧ / /|
(´∀` )/ / |
( つ / / ;;.|
| | | ̄ | |
( ) .| | ;;/
| | /
「それです。それが欲しいんです」
男は不思議な店主から果物の種を買った
代金は貯金全てと自分の家だった
- 534 :WARDS :03/04/16 01:20 ID:V1i91TSQ
それは高いのかもしれない
でも男にはたいして高いと感じない
男の貯金は0に等しく家は小さいあばら家だったから
男は事業に失敗したんだ
/ / / |
___________/__________/ |
| ┌──────┐ | ┌───┐ | |
| | | | │ | | |
| └──────┘ | └───┘ | /
| | | /
| ┌──┐ | ┌──┐ | /
| | │ ┌┬┐ | | | | /
| | o| ├┼┤ | | | | /
| | | └┴┘ | | | | /
| | | | | | |/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧∧
(Д゚,, )
| U|
| |〜
U´ヽ)
男はふらっとその店に入ってなんの変哲もない種を買った
「種がどうなるのか楽しみだな」
疑いもせずに・・・男はやけになっていたのかも
- 535 :WARDS :03/04/16 01:20 ID:V1i91TSQ
男が種をどうしたか
勿論地面に植えてみようと考えた
種は学者に見せたら「ありえない」と言わせそうなくらい早く伸びた
翌日には実をつけていた
| 〇 __ __ |
ヽ \_\__ ∧ / / 〇 /
\ \ V V / /
\ .| / 〇/
\ 〇 | | /
\_| |〇/
| | | ̄
| |
| |
| |
/ ヘ_ 丶ヽ
// ヽ_ \ゝ
∧∧
( )
⊂ ⊃
〜 |
し´U
それはおとぎ話にでてきそうな金色の実
男は信じられないようにしばらくつっ立って
これが最後のチャンスと今度もまた事業に手を出した
それが前回とはうってかわって大成功
- 536 :WARDS :03/04/16 01:21 ID:V1i91TSQ
-
それを聞いてやってきたのはこの街で富を争う資産家
「すいません、ここで売っているものが欲しいのですが」
金持ちは店主に聞いた
「ここはお客さんに一番必要なものしかありませんよ?」
∧_∧
( ・∀・)
( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
__
∧_∧ / /|
(´∀` )/ / |
( つ / / ;;.|
| | | ̄ | |
( ) .| | ;;/
| | /
「そうです。それが欲しいんです。」
金持ちは不思議な店主からあの男と同じく果物の種を買った
代金はポケットに入っていた銅貨一枚だった
- 537 :WARDS :03/04/16 01:22 ID:V1i91TSQ
金持ちは期待に胸膨らませながら大きな自宅へ帰っていった
「これで僕がこの街の一番の資産家だ!」
自然と足が速くなる
/ / / |
___________/__________/ |
| ┌──────┐ | ┌───┐ | |
| | | | │ | | |
| └──────┘ | └───┘ | /
| | | /
| ┌──┐ | ┌──┐ | /
| | │ ┌┬┐ | | | | /
| | o| ├┼┤ | | | | /
| | | └┴┘ | | | | /
| | | | | | |/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧
(∀・ * )
・⊂ ⊂)
ヽ/ 人
(__)__)
先例があったからか彼は疑いもせず
家に持ち帰った
疑う前に期待が脳を支配しているというところか
- 538 :WARDS :03/04/16 01:22 ID:V1i91TSQ
男が種をどうしたか
勿論地面に植えてみようと考えた
種は彼に言わせれば「ありえない」と言わせそうなくらいのびなかった
それだけ彼は期待していたということか
生えてくるまで待ち続けた
∧_∧
(・∀・ )
( )
(__(__ ̄)
~~~
いつまでも、いつまでも
仕事も忘れて待ち続けた
- 539 :WARDS :03/04/16 01:22 ID:V1i91TSQ
とうとう彼は貯金を失い
家を失い
愛する家族も失った
∧_∧
(;∀; )
( )
(__(__ ̄)
~~~
彼は待ち続けた
いつのまにか泣いていた
もうあきらめようとロープと台を用意した
でも明日にしようと何故か思った
- 540 :WARDS :03/04/16 01:38 ID:V1i91TSQ
朝、彼が起きるとやっと夢が叶っていた
「あぁ・・・やっと・・・・・・何かわからせてくれたなこの木は・・・」
その木には一段と実がなっていた
| 〇 __ __ 〇 |
ヽ \_\__ ∧ / / 〇 /
\ 〇 \ V V / /
\ .| / 〇 /
\ 〇.| | /
\__| |〇_/
| | | ̄
| |
| |
| |
/ ヘ_ 丶ヽ
// ヽ_ \ゝ
:∧_∧:
:( ):
:( つ:
:| | |:
:( ( ):
- 541 :WARDS :03/04/16 01:39 ID:V1i91TSQ
世の中金が一番とかいう奴がいるけれど・・・
金はしょせん次に登るための踏み台みたいなものなんだ・・・
FIN