ある古いアパートの話です。
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三拾壱話
ノック
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そのアパートは一階建てで、部屋が横に並んでいます。
一号室、二号室、三号室といった具合です。
そして僕がその三号室に引っ越してきました。
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（・∀・ ,,）
（ ）
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大きな交差点が近くにあるためその騒音になかなか慣れず
Aは車が少なくなる十二時すぎにしか眠りにつけませんでした。
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引っ越してきて十日程して、Aはあることに気がつきました。
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毎晩十一時半を少し過ぎると、きまって誰かがドアをノックするのです。
よく聞いてみると一号室から順にAの住む三号室まで
「コンコン、コンコン、コンコン」とノックして来るのです。
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しかし、このノックもほっておけば何事もなく、ただ通り過ぎるだけでした。
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Aにしてみれば毎晩毎晩のことで気になって仕方がありません。
それにノックの最中に人の足音がないということも気になって
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直感で霊と判断し、ある霊能者に相談しました。
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僕の直感は当たっていて、ノックをしているのはすぐ近くの大きな交差点で
事故に遭った４歳の男の子で、成仏しきれずに話し相手を探しているのだとか。
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ノックをやめさすには誰かが話し相手になってあげて、話を聞いてやれば
良いとのことで、僕は早速話し相手になってあげることに決めました。
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と う.￣￣￣||
ただし霊能者は
絶 対 に ド ア は 開 け る な とのこと。
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その日の夜、いつも通りノックがきました。
一号室、二号室、そしてAの部屋・・。
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僕は勇気を出して「コンコン」の後に「コン・・」と返しました。
その後二人の間でルールが出来ました。
（ＹＥＳ＝ノック一回、ＮＯ＝ノック無し。数字＝回数。）
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「可哀相に、交通事故だって？」「コン…」
「いくつ？」「コン、コン、コン、コン」
「四つか…。お父さん、お母さんは一緒？」「……………」
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「そっか、一人か…お兄ちゃんが供養してやるから成仏してくれるか？」
「……………」
「あ！そうそう友達はできたか？」
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「コン。」
「それはよかったじゃん！今来てるの？」「コン。」
「ふぅん、そっか。何人いるの？」
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|, ／
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
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ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
r―――――――――――――‐､
| 今夜あなたの家にもノックが… |
｀ー-―――――v――――――‐'
∫
∧∧ ∬
(*ﾟ∀ﾟ) i:i_ ﾌﾌﾌ…
ノ;;;<ivi>フ'
ヽ;ノ;ﾉ .i/