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弐拾九話
夜のパソコン通信
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僕はパソコン通信の映画フォラームで
チャットを楽しんでいましたが
∧_∧
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ある日、同い年の二十歳で
大学生の僕と同学年の女子大生が加入してきました。
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映画の好みが一致して意気投合し、やがて2人だけで
本名を名乗りあって通信を始めたのです。
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彼女はBといい、Bとの会話は楽しく画面に向き合っていると
このままずっと会話をつずけていきたい気持になって
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(,*・∀・)/ ̄ ̄\
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気がつくといつも朝になっていました。僕は、面と向かって
女性と話すのが苦手で、いままで彼女はいませんでした。
そのせいか、顔も知らないBにほのかな恋心を抱き始めていました。
?
∧∧ ∧_∧ ∧_∧
.(*゚−゚) (,, ‘∀‘) (. . ;,)
〈i. イ〉
.( ) (,つと,_,)
.l ,) .| | | 〈 〈 .〈
し'J (,,___,),_) (,_(,,__,)
Bと通信をはじめて1ヶ月ほどたったころ、彼女が通う女子大の学園祭がありました。
彼女が映画サークルに所属していることがわかっていたので
その学園祭に行ってみれば
∧_∧
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Bの顔を見られるのではないかと、一人出かけてみました。
映画サークルが主催したという、自主映画の上映のあと
部員全員の紹介がありましたが、Bはでてきません。
λ__λ ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ /⌒\
.(,,
`ー´) .(‘∀‘*,) (,, ´∀`) (,, ^Д) | ' A ` ヽ
.(
つと ) ( ) .(イ i) | .|
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〜(, l | .|
.(,___,),,_) (,__(,,__,) .(,___,,)_,,)
し'J .ヽ _ |
∧_∧
(・ ,)
( )
部員の一人に、高校の同級だと偽り
Bの名をだしてみると、Bは1ヶ月前に喘息の発作で死んだというのです。
/⌒\
|.. ' A `
| ∧_∧
| .| (・∀・;,)
| .| ( と_,)
| _
ノ .| | |
.V V (,,_,(,,__,)
僕は驚きましたが、通信相手の彼女は
他人の名をかたっているのだと思いました。
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|.;' A ` |
∧_∧
| .| (・−・;,)
| .| ( と_,)
| _
ノ .| | |
.V V (,,_,(,,__,)
その夜、いつものようにBと通信をしましたが
彼女が本名を偽ったことが僕に対して距離をとっているように思われ
気持ちがふさぎ、会話が進みません。すると
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『私は、Aさんにうそをついてはいません。私はB本人ですよ』
と、画面に文字がつずられたのです。
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もしかしたら通信してる相手は、僕のことを知っている人間
もしかしたら男かもしれないと思い、腹が立ってきて
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i., |
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|:.::::::::. i;;;;;ノ |
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パソコンの通信をOFFにしようとしました。
しかしいくらキーを押しても、画面が変わらず
『あなたが好きなの。つながっていたいの。あなたが好きなの。つながっていたいの・・・』
∧_∧
(,,;・д・)/ ̄ ̄\
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画面にモーレツな勢いでつずられていきます。単なるいたずらではない
何かこの世のものではない執念が感じられ
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あなたが好きなの。つながっていたいの。あなたが...| |
| | 好きなの。つながっていたいの。あなたが好きなの...|
|
| | つながっていたいの。あなたが好きなの。つながっ ..| |
| |
なたが好きなの。つながっていたいの。あなたが好 .| |
| | きなの。つながっていたいの。あなたが好きなの。つ.| |
| | あなたが好きなの。つながっていたいの。あなたが...| |
| |
好きなの。つながっていたいの。あなたが好きなの...| |
| | つながっていたいの。あなたが好きなの。つながっ ..|
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| | なたが好きなの。つながっていたいの。あなたが好 .| |
| |
きなの。つながっていたいの。あなたが好きなの。つ.| |
| | あなたが好きなの。つながっていたいの。あなたが...| |
僕は恐くなりパソコンの電源を切りました。しかし、すぐにONになり
彼女の言葉がツズラレています、何度電源を切ってもすぐまたつながります。
∧_∧
(il!・皿・)/ ̄ ̄\
_(,_つ_,.つ|'´\:::::::::::.\__
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あせった僕は、コードを抜いてしまいました。
するとようやく画面は暗いままになり、彼女の言葉は消えたのです。
∧_∧
/ ̄ ̄\ .(・Д・il!,)
_____,|'´\:::::::::::.\ (つヽと,)
\ ”| .);;;;;;;;;;;;;;;;) ̄ ̄`ー
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`'
ネットの中に生きているという彼女の言葉が、うそではないように思われてきて
背筋に悪寒がとりついたまま長い間震えていました。
::< < il!)::
::/´/´と_)::
. ::(,_(,__,,)ノ::
そして半年後
このことを忘れかけていた時、友達がパソコン通信していました。
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| ヘ--/ .| / /
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ヽ' / / /
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画面をのぞいた瞬間僕は愕然としました。
『Aさんですよね、お久しぶり。Bです。奇遇ですね。』
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∧_∧
.(・Д・ ,)
(,, ´∀`)./ ̄ ̄ ̄ ̄/ ,)
(,_つ_,.つ/ ./_i_,|_
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と一瞬にして消え、友達はきずかず没頭してます。
背筋に氷が這うような寒気が襲ってきて僕は夢中で逃げました。
∧_∧
∧_∧ .(・Д・il!,)
(,*´∀`)./ ̄ ̄ ̄ ̄/ ,)
(,_つ_,.つ/ ./_i_,|_
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それから、数ヶ月後、あの友人の死が知らされました。